薬剤・重金属による腎障害

〈概念〉

多くの薬剤で、尿細管障害が見られる。

発生機序
①薬剤による直接障害
②薬剤によるアレルギー反応で尿細管が障害を受ける場合

〈誘因〉

抗菌薬、NSAIDs(インドメタシン、フェナセチン)、造影剤、重金属、有機溶剤など

〈症状/検査所見〉

糸球体・細血管障害:血清Crの増加

近位尿細管障害:尿中β2-ミクログロブリン(β2-MG)増加

急性尿細管壊死、間質性腎炎:尿中NAG増加がみられる

糸球体病変が主体ではないので、蛋白尿、血尿はみられない。

〈治療〉

1.   原因薬剤の中止

2.   脱水状態の予防

3.点滴負荷による利尿

注目の記事

急性尿細管壊死(ATN:acute tubular necrosis)

〈概念〉 ・ 腎虚血や、腎毒性物質によって尿細管上皮が壊死性変化を起こした状態。 ・ 急性腎不全の原因として最も多い。 ・ 成因として、血流障害あるいは尿細管上皮に対する直接の障害が考えら …続きを読む…