伝染性単核症
伝染性単核球症(infectious
mononucleosis)は、ヘルペス属のウイルスであるEBウイルス(Epstein-Bar virus, HHV-4)による感染症で、主としてEBウイルスの既往のない人が思春期ないし青年期に初感染を起こして発症するものである。乳児期に比べて思春期以降の発症が多いのは思春期以降の方が、細胞性免疫が発達しているために免疫反応が過剰になるため症状が出やすいとされる。
多くの人は、幼児期にEBウイルスに対して不顕性感染を起こし終生免疫が得られるものの、常に口腔内にEBウイルスを排出するため容易に経口感染ないし飛沫感染を起こす。発熱、リンパ節腫脹、血液検査異常(白血球増加、リンパ球増加、異型リンパ球出現)を三主徴とし、黄疸のない肝機能障害、脾腫、口蓋点状出血や皮疹を伴うことがある。
多くの人は、幼児期にEBウイルスに対して不顕性感染を起こし終生免疫が得られるものの、常に口腔内にEBウイルスを排出するため容易に経口感染ないし飛沫感染を起こす。発熱、リンパ節腫脹、血液検査異常(白血球増加、リンパ球増加、異型リンパ球出現)を三主徴とし、黄疸のない肝機能障害、脾腫、口蓋点状出血や皮疹を伴うことがある。
経過としては、2~8週間の潜伏期間の後、発熱、扁桃咽頭炎として発症する。その後、半分以下の症例で発症後4~10日目に発疹が現れる。発疹は主に体幹部に現れ、典型的には粟粒大ないし半米粒大の融合傾向の少ない紅斑で風疹に似るという性状であるが、結節性紅斑や多形滲出性紅斑などといった多彩な像を呈しうる。抗生物質(アンピシリンなど)で皮疹が誘発されることが多く、その他各種の薬剤に過敏性を示す(ただし、治癒後の誘発試験では過敏症状は見られなくなることが多い)。そのため、咽頭炎を起こし、細菌感染によるものだと判断されて抗生物質を投与していたら、実はEBV感染で皮疹が出現してきたということがあり得る。
検査所見としては、末梢血に異型リンパ球が10%異常証明されること、異種血球凝集反応(Paul-Bunnell反応)が陽性、EBV抗体価の上昇(初期にはVCA-IgM,
EADR陽性、後にVCA-IgGの上昇)がみられる。