原発性閉塞隅角緑内障

関連ページ 緑内障

Stage分類と診断方法、診断基準、治療方針(試案2005年10月)

Stage分類

PACS(primary angle closure suspect):原発閉塞隅角(症)疑い

 機能的隅角閉塞の可能性はあるが、存在の証拠がない、または、現時点では存在しない。

PAC(primary angle closure):原発閉塞隅角(症)

 機能的隅角閉塞の存在が確実である、もしくは器質的隅角閉塞が存在する。

PACG(primary angle closure glaucoma):原発閉塞隅角緑内障

 原発閉塞隅角(症)に緑内障性視神経障害を伴う。

診断方法

診断のための検査手順

1.細隙灯検査にて周辺前房角膜比を判定し、一象限でもAC/CTが1/3以下であれば次のステップに進む。

2.隅角鏡検査を施行し、PACSあるいはPACに該当すれば次のステップに進む。

3.必要に応じて、暗室うつむき試験、散瞳負荷試験、UBM等を施行し、閉塞隅角の有無と程度を判定する。また眼底検査および視野検査により緑内障性視神経障害の有無を判定する。

診断基準

PACS

隅角鏡検査で、第一眼位、隅角鏡正位、および非圧迫位にて、2象限以上のposterior trabecular meshworkが見えない。

PAC

下記の(1)〜(4)のいすれかを認める場合をPACと診断する。

さらにPACを次の3つのサブタイプに分類し、治療適応決定の参考とする。

完全型:隅角鏡検査で下記の(1)もしくは(2)を認め、無治療で高眼圧がある。

不完全型:隅角鏡検査で下記の(1)もしくは(2)を認め、かつ(3)もしくは(4)を認めるが、ベースライン眼圧は正常。

正常眼圧型:隅角鏡検査で下記の(1)もしくは(2)を認めるが、(3)と(4)のいずれも認めず、ベースライン眼圧も正常。

(1)隅角鏡検査における器質的隅角閉塞(PAS:peripheral anterior synechia)の存在。

(2)隅角鏡検査における機能的隅角閉塞に起因すると考えられるtrabecular meshworkへの過度の色素沈着。負荷試験

(3)暗室うつむき試験(1時間)陽性(8mmHg以上の眼圧上昇)もしくは疑陽性(6mmHg以上の眼圧上昇)。

(4)散瞳負荷試験(1時間)陽性(8mmHg以上の眼圧上昇)もしくは疑陽性(6mmHg以上の眼圧上昇)。

参考所見

眼圧検査:高眼圧(ベースライン眼圧が22mmHg以上)の存在。

UBM(ultrasound biomicroscopy):隅角閉塞機序の判定に用い、治療方針決定の参考とする。また、隅角鏡検査にて隅角構造物が見えずPASの存在が確定できない時に器質的もしくは機能的隅角閉塞の存在を検索する。

PACG

PACに下記のいずれかを伴う場合をPACGとする。

・眼底検査による緑内障性視神経障害の存在・視野検査(ハンフリーフィールドアナライザー検査は必須)による緑内障性視野障害の存在

治療方針

PACS

1. 白内障(相対的)手術適応がある場合:水晶体摘出(PEA+IOL)

2. 白内障の手術適応がない場合:経過観察

PAC

1. 白内障(相対的)手術適応がある場合:水晶体摘出(PEA+IOL)

2. 白内障の手術適応がない場合:

 1) 正常眼圧型: 経過観察

 2) 不完全型: 患者に積極的治療の意思があれば水晶体摘出(PEA+IOL)。積極的治療の同意が得られない場合には経過観察。この際、残存調整力の程度や屈折を評価し、IOL手術の副次的なメリットとデメリットを勘案する。

 3) 完全型: 水晶体摘出(PEA+IOL)。同手術の同意が得られず、かつUBM検査にて瞳孔ブロックの要素が強い場合には、レーザー虹彩切開術または外科的周辺虹彩切除術。

PACG

水晶体摘出(PEA+IOL)。

 水晶体摘出後も器質的隅角閉塞のために高眼圧が解消しない場合:GSL追加。

 水晶体摘出後も器質的隅角閉塞のために高眼圧が解消しない、もしくは負荷試験も陰性化しない場合:LGP追加。

上記にても機能的隅角閉塞による高眼圧が解消しない場合:ピロカルピン点眼。

隅角閉塞を完全に解消しても高眼圧が解消しない場合:開放隅角緑内障の治療に準ずる。 

注目の記事

幽門側胃切除術

幽門側胃切除術の適応は術前診断でN0(リンパ節転移なし)のStageⅠAで胃の中部(M)下部(L)に存在する胃癌が適応となる。正中切開にて上腹部開腹し、転移の有無を確認するため、膀胱直腸窩、左横隔膜下 …続きを読む…