奇異呼吸

正常の呼吸運動とは逆に,吸気時に肺が収縮し,呼気時に肺が拡張することであるが,通常は一側肺にこのような現象がみられ,左右の胸郭で反対の運動が観察される.例えば,交通事故などで肋骨が3本以上,2個所以上骨折し,部分的に胸壁の骨性支持が失われた状態(flail chest)では,吸気時に胸腔内圧が陰圧となるとともに胸壁は内方へ陥入して肺を収縮させ,逆に呼気時には胸壁が外方へ突出する

奇異呼吸が高度の場合には早急に治療しないと重篤な呼吸不全をきたし危険である.

奇異呼吸の種類と原因となる病気は以下の通りである。

①左右の肺が非対称の動きをする

気管支がふさがれて肺が潰れる無気肺、気体が肺を圧迫する気胸、肋骨に囲まれた胸腔に血が溜まる血胸など

②胸部と腹部の動きが異なる

脊髄の中でも特に重要な頸髄を損傷して麻痺が生じる頸髄損傷

③胸部の骨格である胸郭が他と異なる動きをする

肋骨の骨折によって呼吸障害を起こす胸郭動揺。

注目の記事

急性尿細管壊死(ATN:acute tubular necrosis)

〈概念〉 ・ 腎虚血や、腎毒性物質によって尿細管上皮が壊死性変化を起こした状態。 ・ 急性腎不全の原因として最も多い。 ・ 成因として、血流障害あるいは尿細管上皮に対する直接の障害が考えら …続きを読む…