急性呼吸窮迫症候群(ARDS:acute respiratory distress syndrome)
〈概念〉
・ 何らかの侵襲により急激に発症する血管透過性亢進型の肺水腫。
・ 高度の低酸素血症をきたす。
・ 根本的治療はいまだなく、死亡率は40~60%と高い。
・ 敗血症などを原因として発症することが多い。
〈誘因〉
敗血症、重症外傷、胃内容物の誤嚥
〈症状〉
急激に進行する呼吸困難、過去急、チアノーゼ
〈検査〉
・ 聴診;両側びまん性に水泡音(coarse crackle)
・ 胸部Xp:肺野全体に両側びまん性浸潤影(肺水腫)
・ 動脈血ガス:PaO2↓↓、A-aDO2開大(低酸素血症、Ⅰ型呼吸不全)、PaCO2↓(呼吸性アルカローシス)
〈治療〉
低酸素血症の改善が基本
① まずPEEPをかけて酸素投与を行う。
② 利尿薬を投与し、輸液を制限する。
③ 基礎疾患の治療を行う(敗血症の場合、抗菌薬を投与する)。