滲出性中耳炎

中耳腔に浸出液が貯留するため、難聴・耳閉塞感などを呈する疾患である。原因として、耳管狭窄(アデノイド増殖症(小児)、上咽頭癌(中高年)など)、アレルギー、急性中耳炎の不適切な治療などがある。好発年齢は二峰性で、4〜6歳の小児や高齢者にピークがある。小児の場合、成長するに従って口蓋扁桃やアデノイドが生理的に退縮するため、発症頻度は減少する。小児では両側性、成人では片側性のことが多い。伝音難聴、耳閉塞感、自声増強などが認められ、これらの症状は上気道感染時に増強する。耳痛や耳漏は認めない。耳鏡検査にて、鼓膜の内陥、浸出線(貯留線)、光錐の消失、気泡などが認められる。鼓室の半分以上を浸出液が占めるため、ティンパのグラムでは多くはB型(まれにC型)を示す。純音聴力検査にて、気道聴力は全周波数域で悪く、骨導聴力は正常で、A—Bgap陽性となる。原疾患の治療(アデノイド切除など)、鼓膜切開、換気チューブの挿入留置、耳管通気などを行う。

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