若年性突発性関節炎(JIA)

16歳未満の小児に発症した、原因の特定できない慢性関節炎である。成人のRAとはやや異なる病型を呈し、RF陽性率も低い。全身型、多発関節型、少関節型の3病型にわけられる。

臨床

  • 小児(16歳未満)に発症する原因不明の慢性関節炎の総称である。
  • わが国の小児の10万人に対して10〜15人くらいの頻度だといわれている。
  • かつては若年性関節リウマチ(JRA)とよばれてきたが、現在では「若年性特発性関節炎(JIA)」という名称を用いる。
  • 病型は全身型(Still病)と関節型とに大別され、関節型はさらに多関節型と少関節型とに分類されている。
  • 全身型の場合、(感染症などによらない)原因不明の慢性関節炎、全身リンパ節腫脹、弛張熱または間欠熱、肝脾腫、心外膜炎、サーモンピンク皮疹などがみられる。
  • 関節型では上記の症状はない。多関節型では発症後6ヶ月以内に5ヶ所以上の関節炎のほか持続する微熱、リンパ節腫脹、食思不振、体重減少、小顎症などをきたす。少関節型では発症後6ヶ月の時点で1〜4ヶ所の関節炎を認め、関節外症状として虹彩炎を認める。
  • 検査所見としては、Aso正常、WBC→〜↑↑、赤沈↑、CRP (+)などがみられる。(リウマチ熱やSLEとの鑑別点)
  • 全身型を除き、概して生命予後は悪くないが、関節炎が長期化すると関節の機能障害を残すことがあるほか、骨の成長障害をきたすことがある。
  • 全身型の予後は概して良好だが、血球貪食症候群(またはMφ活性化症候群)を発症すると播種性血管内凝固(DIC)、多臓器不全をきたし生命予後不良となる。

治療

  • NSAIDs、メトトレキサート、ステロイドを用いる。
  • NSAIDsはイブプロフェン、ナプロキセンなどを選択する。
  • 多関節型JIA、NSAIDs不応少関節型JIAにはメトトレキサート少量パルス療法を行う。
  • ステロイドの過剰投与は骨成長障害や副腎機能低下をきたし小児の成長に影響を及ぼすため、使用は最低限度にとどめる。

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