先端巨大症・下垂体性巨人症
先端巨大症・下垂体性巨人症は、成長ホルモン(GH)の過剰が原因で骨、軟部組織、諸臓器の異常な発育と代謝異常をきたす疾患である。
本症の診断の要点は、特徴的な身体所見と、GH・IGF-Iの高値を確認することにある。病院のほとんどはGH産生下垂体腺腫であり、同時にPRLも産生されることが多い。
症状
①眉弓部の膨隆、鼻・口唇の肥大、下顎の突出、手足の容積の増大、巨大舌
②ときに頭痛、視野障害(両耳側半盲)がみられる
③GH分泌の過剰(ブドウ糖負荷試験で血中GH値が正常域まで抑制されない、尿中GH高値)、IGF-I↑
④MRIまたはCTで、下垂体腺腫の所見が見られる。
⑤頭蓋骨単純X線写真で、トルコ鞍の拡大、破壊(ballooning, double floor)、副鼻腔の拡大、下顎突出
手部X線で、手指末節骨のカリフラワー様肥大変形、種子骨の肥大
足部X線で、足底部軟部の肥厚(heel pad thickness)
などがみられたら先端巨大症と診断する。
治療
まず第一に外科的手術により下垂体腺腫の完全摘出を目指す。
1.手術的摘出:Hardy手術[経蝶形骨洞法]または前頭開頭法
2.薬物療法:GH分泌抑制薬として、オクトレオチド(ソマトスタチン誘導体)、ブロモクリプチン、カベルゴリン(ともにドパミン受容体作動薬)
3.放射線療法(ガンマナイフなど):術後照射としておこなうことがある。
(参照:クエスチョンバンク)