Wilms腫瘍

≪概念≫
小児の代表的悪性腫瘍で、小児悪性腫瘍の5%を占める。
≪疫学≫
・胎生癌(5歳以下が70~90%)、後腎芽細胞群が癌化したものと考えられている(4/100万人)。主に3歳以下       の乳幼児に好発する。小児に最も一般的な腎腫瘍である(90%)。
・組織学的に多様。肺、肝転移が多く、骨転移はめずらしい。
・WT1遺伝子(11p13)の欠損が本症の約10~20%に関係していることが明らかとなった。
≪症状≫
・腹部腫瘤で発見されることが多い。(乳児検診や診察などで90%近くが発見)
・正中線を超えない、表面平滑、境界明瞭な弾力性ある腫瘤。
*血尿で発見されることもあるが頻度は少ない(10~25%)。蛋白尿は(-)
≪検査≫
(IVP)腎変位より腎杯破壊、腎杯変形が著しく、患側腎盂が描出されないことが多い。
*確定診断は病理診断。
≪治療≫
外科切除が基本。摘除可能腎部分切除、腎温存を目指す。
また放射線感受性が高く、化学療法としてはアクチノマイシンDがfirst choice。
≪予後≫
完全寛解率が高い(長期生存率90%以上)。

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