急性尿細管壊死(ATN:acute tubular necrosis)
〈概念〉
・ 腎虚血や、腎毒性物質によって尿細管上皮が壊死性変化を起こした状態。
・ 急性腎不全の原因として最も多い。
・ 成因として、血流障害あるいは尿細管上皮に対する直接の障害が考えられる。
〈誘因〉
・ 虚血による:術後、外傷後、広範な挫傷・熱傷後
・ 腎毒性による:アミノグリコシド、NSAIDs、造影剤、運動後(横紋筋融解による)、異型輸血
〈症状〉
・ 多くは乏尿をきたす。他の症状は腎性急性腎不全参照。
〈検査〉
・ 血清Cr>2.0~2.5mg/dl、BUN>40~70mg/dl、血清K↑
・ 尿の所見は腎性腎不全参照。蛋白尿(+)がみられることも。
〈治療〉
・ 乏尿期の水・電解質以上と、急性尿毒症症状に対するものが中心。
・ 細胞外液の大きな変動を防ぐため、早期からの透析開始が勧められる。