くる病
くる病(rickets)とは、骨端線閉鎖前の小児に見られる骨の石灰化不全である。原因はビタミンDやリンなどの栄養不足ないし、リンの再吸収障害(ファンコニ症候群等)により、骨絶対量は足りているにもかかわらず、石灰化が進まないために生じる。特にビタミンDは魚に多く含まれており、魚を全く摂取しないような人ではくる病を発症しやすくなる。
所見としては、血清のリン(P)が減少する一方で、続発性の副甲状腺機能亢進症となり、副甲状腺ホルモンが増加する。また同様に、骨型ALPの上昇が見られる。くる病では骨端線が障害され大腿骨や脛骨の彎曲をきたし、歩き方が不自然になる(骨折は少ない)。
骨のX線写真では、骨端線の不規則化(辺縁不整)(fraying)と杯状変形(cupping)が見られる。
くる病の治療としては、ビタミンDの投与を行うほか、食事が原因の場合は、食事や日光浴の指導を行う。ビタミンDの投与を行う際には、過剰による高Ca血症に注意しなければならない(口渇、多飲、多尿、便秘など高Ca血症をきたしたら来院させる)。