アレルギー性肉芽種性血管炎

血管壁内あるいはその周囲に肉芽種を形成する全身性の壊死性血管炎である。肺病変は必発で、気管支喘息症状に加え多発性肺浸潤影がみられる。組織学的に著名な好酸球浸潤を伴っている点が特徴であり、病理所見の認められないものはChurg-Strauss症候群ともよばれる。大きな男女差は認められず、10〜60歳代の幅広い年代に発症する。

臨床

  • 成人発症での気管支喘息やアレルギー性鼻炎の既往がある人に好発する。
  • 本性の多くは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が先行し、その後全身の血管炎により、それぞれの臓器が障害される。また、発熱、体重減少などの血管炎による全身症状もみられる。
  • 臓器の症状は、肺病変がほぼ必発で最も多く、末梢神経、皮膚、消化管、心臓にも多い。
  • 血管炎による症状として、発熱、関節痛、全身倦怠感、体重減少などの全身症状、消化管出血、紫斑などの小・毛細血管炎症状がある。
  • 検査所見としては、血液検査で、赤沈↑、WBC↑、好酸球↑↑、IgE↑、RF(+)、P-ANCA(+)、胸部X線像で、肺野の多形性、多発性の肺浸潤影を認める。
  • なお血管炎の確定診断は生検による(小血管周囲に好酸球浸潤を伴う壊死性血管炎と肉芽種がみられる)。

治療

  • 初期にステロイドの大量療法を行えば有効なことが多い。※難治例には免疫抑制薬の併用を行う。

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