ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、夏季に乳幼児に流行し、口腔粘膜に水疱疹をきたす感染症である。コクサッキーウイルスA群のほか、コクサッキーウイルスB群とエコーウイルスが原因ウイルスで、多くは予後良好である。
臨床像
- 夏〜秋にかけて、主に4歳以下の乳幼児に好発する。(発症は1歳が最多である)
- 突然の39℃以上の発熱に加え、前口蓋弓上端・口蓋垂などに両側性のアフタがみられる。
- 解熱後7日ほどで治癒するが、アフタによる咽頭痛のため食欲が低下し、脱水症になることがあるので注意が必要である。
- ヘルペス性歯肉口内炎とは異なり、歯肉炎は起こさない。
- 手足口病とは臨床症状が類似しているが、手足口病では発熱がみられないことが多い点や、口腔前方・手や足にも水疱疹がみられる点で異なっている。
治療法
- 原則的には特別な治療はせず対症療法のみを行う。基本的に予後良好だが、無菌性髄膜炎、熱性痙攣には注意が必要である。
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