眼内レンズ縫着術
概念:眼内レンズを挿入する場合には嚢内固定、嚢外固定の両手技があるが、水晶体全摘出術を行なったり、チン氏帯が高度に断裂した場合には水晶体嚢による眼内レンズの支持が得られないため、毛様溝あるいは毛様扁平部に通糸しその糸を眼内レンズの支持部に結紮してレンズを毛様体(毛様溝あるいは毛様体扁平部)に縫い付ける手術が行なわれる。
適応:無水晶体眼、高度のチン氏帯断裂、高度の破嚢、眼内レンズ亜脱臼 眼内レンズ脱臼(硝子体内落下)
手技:
1 十分に前部硝子体切除を行なう。
2 角膜の中心に対称的な位置に半層強膜弁の作成。
3 毛様溝(または毛様扁平部)に縫着糸を通糸する。
4 縫着糸を創口から眼外へ引き出す。
5 縫着糸を眼内レンズの支持部(ループ)へ結びつける。
6 縫着糸の緩みを取りながら眼内レンズを前房に挿入する。
7 眼内レンズの位置を確認してから縫着糸を半層強膜弁に縫い付ける。
前部硝子体切除時、眼内レンズ挿入時の眼球虚脱予防ためにはinfusion canulaの設置が望ましい。
眼内レンズ脱臼(硝子体内落下)では、脱臼した眼内レンズを摘出し新たに縫着術を行うが、落下した眼相レンズを眼内で縫着する方法も行われる。