慢性リンパ性白血病

慢性リンパ性白血病chronic lymphocytic leukemia: CLL)とは、成熟リンパ球の形態を示す白血病細胞が単クローン性に増殖し、末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などに浸潤するリンパ系の腫瘍で、60歳以上の男性に多い。

慢性リンパ性白血病(CLL)は欧米で白血病の1020%を占めるほどであるが、日本では1.53%とはるかに頻度が低い。CLLの発症には放射線やアルキル化剤との関連はなく、酪農業やゴム製造関連業に多いとされる。広義のCLLT細胞性とB細胞性に分けられるが、B細胞性のものが多く、CLLといえば、通常B細胞性のB-CLLを指す(現在のWHO分類ではCLLは「B細胞の腫瘍」として扱われている。

典型的なCLLでは核クロマチンの濃縮した細胞質の少ない小細胞の腫瘍が見られる。ただし、日本ではこのような典型例は少なく、亜型的性格を帯びていることが多い。CLLの特殊病型としてはHCL(有毛細胞白血病: hairy cell leukemia)がある。

CLLの進行は緩徐であり、最初はリンパ球の増加(15000/μL以上)のみが見られ(Rai分類0期)、次第にリンパ節腫脹が見られるようになり(I期)、進行すると肝腫大ないし脾腫を生じ(II期)、最終的には貧血(Hb11mg/dL未満、III期)や血小板減少(100000/μL未満、IV期)を生じる。

CLLでは免疫力の低下を生じ、易感染性を示す他、ツベルクリン反応の陰転化等も見られる。また、1025%に自己免疫生溶血性貧血(AIHA)を認める。

CLLの検査としては、細胞表面抗原の検索(CD5CD19CD20CD23)や、AIHAを確認するために直接クームス試験が行われる。CD5は通常T細胞のマーカーとされるが、CD5陽性B細胞は自己抗体の産生に関与し、AIHAITPなどの自己免疫性疾患を合併しやすい。

CLLは経過が長いので、治療も0期の場合は、経過観察でよく、症状が出てくるIII期、IV期から、フルダラビンやリツキシマブなどによる化学療法が行われる。

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