白癬
ケラチンを栄養源とする皮膚糸状菌(Trichophyton、Epidermophyton、Microsporumなど)の皮膚感染症である。ケラチンに富む表皮角層、爪、毛包に感染する。
病変の存在部位により頭部白癬(しらくも)、体部白癬(ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)、足白癬(みずむし)などに分けられる。日本では足白癬が最も多い。
犬や猫などのペットから伝染することがある。
臨床
- 足白癬は、趾間部の紅斑、びらん、鱗屑(趾間型)、足底の小水疱、鱗屑(汗疱,小水疱型)、踵の角質増殖(角化型)などの症状がみられる。
- 趾間型は第4趾間に好発し、瘙痒が強い。
- 股部白癬では、鱗屑を伴う環状紅斑が陰股部や殿部に生じるが、陰嚢皮膚は侵されにくい。
- 頭部白癬では、境界明瞭な脱毛と脱毛巣中の白い鱗屑がみられる。
- 頭部白癬が進行し、毛包に一致した膿疱をきたすことがある(Celsus禿瘡)。ステロイ ド外用剤の誤用などで生じる。
診断
- 確定診断は鱗屑、膿疱、水疱蓋の白癬菌をKOH直接鏡検によって確認することによる。
治療
- イミダゾール系などの抗真菌薬の外用を行うが、爪白癬・頭部白癬では内服の必要がある。
- 抗真菌薬の内服は、イトラコナゾール、テルビナフィンを用いる。
- 感染症であり、ステロイドは禁忌である。