眼瞼下垂

上眼瞼の機能障害により、まぶたが開きづらくなることをいう。視界が制限され、無意識に眉毛を挙上したり顎を挙上するため、頭痛、肩こり、腰痛、眼精疲労を引き起こすことがある。
眼筋疾患による眼瞼下垂は、筋肉疲労により
症状が出現し、休息により回復するのが特徴である。軽度の眼瞼下垂の場合、あまり自覚症状がないが、重症化すると、視界が制限された状態になるので、怪我や転倒、自動車事故などを誘発しうる。両眼性眼瞼下垂が長期にわたり放置されると、視力はあるのに、目が開かない状態で、機能的盲目に陥ることがまれにある。
眼瞼下垂を引き起こす疾患には以下のようなものがある。
上眼瞼挙筋(動眼神経支配)が障害された場合
先天性、顔筋ミオパチーによる挙筋自体の異常、加齢性、コンタクトレンズによる挙筋腱の伸展、動脈瘤(内頸動脈-後交通動脈分枝部、脳底動脈-上小脳動脈分枝部)、 Weber症候群による動眼神経麻痺、重症筋無力症による神経筋接合部異常など
Muller筋(副交感神経支配)が障害された場合
Horner症候群による交感神経麻痺
なおHorner症候群などで、下眼瞼の挙上も見られる場合は眼瞼裂狭小と呼ばれる。

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