筋強直性症候群

強直性症候群とは、ミオトニアをきたす疾患の総称で、代表的なものとして筋強直性ジストロフィーがある。この疾患は、20〜30代に好発する常染色体優性遺伝をする遺伝性疾患である。約10万人に5人が発症する。成人の遺伝性ミオパチーでは最多である。やや男性に多い。 筋細胞膜が刺激されやすくなり、わずかな刺激で容易に筋細胞が収縮し、一度収縮すると放電が持続したままになるため弛緩しにくく収縮したままになってしまう。そのため、手を握ると開きにくかったり、舌を叩くとクローバー状に変形するなどといったミオトニア現象という症状が生じる。他にも、多彩な症状が見られる他臓器障害性の疾患である。代表的なものとしては四肢の筋力低下、筋萎縮(筋原性の病気ではあるが、遠位筋優位)、オノ様顔ぼう(顔面筋、側頭筋、咬筋の萎縮による)、前頭部若禿、白内障、心伝道障害(房室ブロックなど)、糖尿病などがある。
血液生化学検査にて、血清CKの軽度上昇、血清IgGの低下が見られる。また、針筋電図検査では、この疾患に特徴的な急降下爆撃音と言われる音が聞こえる。
確定診断には遺伝子検査で、第19番染色体長腕のDMPK遺伝子にあるCTG配列異常反復延長を確かめる。
治療としては、ミオトニアが強い時にはフェニトインなどを投与するが、基本的には無治療である。

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