鎖肛

横行結腸の遠位3分の1から肛門歯状線までは、総排泄口(後腸)より発生している。総排泄口からは膀胱も分化しているが、一連の発生過程に異常があると直腸肛門奇形が生じ、鎖肛とよばれる。本症てまは、肛門が開口しておらず、膀胱や子宮に瘻で交通していることもある。この発声形態からもわかるとおり、食堂閉鎖など消化器奇形、泌尿生殖器奇形の合併が50%以上の率でみられ、特に高位型に多い傾向にある。男女比は、3:2で、やや男児に多くみられる。
出生時に明らかな閉鎖があれば、肛門がないとして診断できる。また、肛門の位置や形態が少しおかしいとか、瘻孔が存在することでわかることもある。直腸温測定のために体温計を入れようとしても挿入できず、診断できることもある。また、このようなことに気づかなくても、胎便排泄遅延、全く排便できない、瘻孔からの排便、さらに時間が経過すると、腹部膨満や胆汁性嘔吐といった腸閉塞症状が明らかになってくる。
生後12時間以後に倒立立位単純エックス線撮影側面像を用い、病型分類する。生後3ヶ月ごろを目安に根治術を行う。
分類の仕方は、倒立立位単純エックス線により直腸内ガスの位置で判断する。
まず、恥骨と仙尾関節(第五仙椎の下端またら尾骨の上端)を結んだもの(P-C線)、坐骨下面のコンマ状の先端を通ってP-C線に、平行な直線(I線)、P-C線とI線の中間で両者に平行な線(m線)を引く。そして、直腸盲端がm線よりも上に存在するものを高位型にさ、直腸盲端がm線とI線の間に存在するものを中間型、直腸盲端が、I線の下方に存在するものを低位型という。

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