高血圧性網膜症
長期間にわたる高血圧が原因となり、網膜に病的な状態が生じる(両眼性)。
検査、診断
- 眼底検査にて、高血圧性変化(動脈狭細化、硬性白斑、出血、軟性白斑、乳頭浮腫)および動脈硬化性変化(動脈壁反射亢進、銅線動脈、銀線動脈)がみられる。
- 眼底所見の評価には、Keith-Wagener分類(網膜血管病変)、Scheie分類(高血圧性変化·動脈硬化性変化)の2種類を用いる。
- 軽度の網膜細動脈の狭細化ないし硬化
- 中等度ないし高度の網膜細動脈硬化(銅線動脈·交叉現象)
- 細動脈の攣縮性、硬化性病変に加えて血管攣縮性の網膜炎所見(浮腫性綿花様白斑·出血)のみられるもの
- 上記所見に乳頭浮腫が加わったもの
Scheie分類
- 動脈血管狭細化:動脈壁反射亢進、軽度の動静脈交叉現象
- 血管口径不同:上記の所見が著明に
- 出血·白斑:銅線動脈、交叉現象著明
- 乳頭浮腫:銀線動脈
治療
まず、内科的に血圧をコントロールし、網膜症が進行し無血管領域がある場合にはレーザー光凝固を、硝子体内への出血には硝子体手術を行う。