Bornholm 病(流行性筋痛症)

コクサッキーB群ウイルスによって起こる疾患で,小児に多い.かぜ様の症状で始まるが,発熱と激しい発作性の胸筋痛が起こる.また,前腹壁筋の疼痛をも伴うこともしばしばである.体動,咳嗽,呼吸などによって筋肉痛は増強される.肩,頚,肩甲部に疼痛が放散することがある.筋の圧痛は著明ではないが,同部の皮膚の知覚過敏や異常知覚をみる場合がある.時に,胸膜炎を伴う場合があり,胸水からコクサッキーウイルスが培養されたことがある.疼痛が激しいので心筋梗塞や急性腹症などとの鑑別をしなければならない.3〜7日で一般には回復するが,再発例もある.病初期には,髄膜炎,心筋炎,あるいは肝炎を合併することがある.また,再発時には,精巣炎を伴うことがある.このウイルスに有効な薬剤はないので,対症療法である.

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心室中隔欠損症(ventricular septal defect: VSD)

≪疫学・概念≫ 先天性心疾患は出生児の1%ほどが合併する。心室中隔欠損とは心室中隔に欠損校が存在する奇形である。心室中隔は漏斗部中隔、膜様部中隔、肉柱性中隔、流入路中隔の4部分に分けられ、これらの中 …続きを読む…