IgA腎症
〈概念〉
・ メサンギウム増殖およびメサンギウム領域にIgAのびまん性沈着がみられる原発性糸球体腎炎。
・ 本症は顕微鏡的血尿が慢性的にみられる慢性腎炎症候群型と、感冒などの発熱時ないしその後の肉眼的血尿を呈し、急性腎炎様に経過する型がある。
・ わが国の原発性糸球体腎炎の30~40%強を占め、最も多い。
〈好発〉
10~20歳(男性に多い)
〈症状〉
上気道感染、腸炎などの後(数日以内)に、肉眼的血尿を示したり、たまたま健康診断で、顕微鏡的血尿を指摘される(無症候性血尿)
〈検査〉
・ 血清IgA↑(約50%)、血清補体価正常
・ 腎生検で、メサンギウム領域にIgA優位の沈着がみられる(蛍光抗体法)
〈治療〉
:血圧コントロールが最も重要
1. 高血圧のとき:降圧薬(ACE阻害薬、ARB)
※高K血症合併時のACE阻害薬の使用は禁忌!
2. 血尿のみが主症状のとき:過激な運動、労働を制限
大量の蛋白尿、腎機能低下をきたしたとき:抗血小板薬、抗凝固薬、ACE阻害薬、ARB、ステロイドなどを投与する。