Wegener肉芽種症(WG)
Wegener肉芽種症はC-ANCAが高率に検出される。全身性血管炎に伴う肉芽種形成疾患である。特に気道・鼻咽腔・肺・腎に進行性の壊死性血管炎と肉芽種を生じる。性差は特にない。
臨床
- 上気道、肺、腎症状に加え、様々な全身症状、臓器症状を呈す。
- 上気道症状として、眼:眼球突出、結膜炎、耳:中耳炎、鼻:慢性副鼻腔炎、鞍鼻、口腔・咽頭:潰瘍、腎症状として、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)による血尿、蛋白尿、浮腫、肺症状として、咳嗽、血痰、呼吸困難、血管炎によるその他の症状として、発熱、体重減少、紫斑、関節痛などがある。
- 検査所見としては、胸部X線像・CT像で、空洞を伴った肺の結節性病変の多発、CRP(+)、WBC↑、坑好中球細胞質抗体(C-ANCA)(+)などがみられる。
- 組織所見では、鼻粘膜生検で、巨細胞を伴う壊死性血管炎と肉芽種、腎生検で、巣状分節性病変(半月体形成性糸球体腎炎)がみられる。
治療
- 免疫抑制薬(シクロホスファミド)と、ステロイドの併用を行う。※治療により予後が著名に改善される。主な死因は腎不全、感染症、呼吸不全などである。