Ⅱ型アレルギーは細胞障害型とも呼ばれる、臓器特異的自己免疫疾患に多くみられる。病態は以下のとおりである。
感染・炎症・薬物などがきっかけで自己細胞が抗原性をもつようになってしまう。薬物などの外来性の抗原はハプテンとして作用し、自己細胞との結合により自己抗体の産生を誘導すると考えられている。そうすると、補体が結合し、補体が形成するMAC(膜傷害複合体)の作用により細胞膜が溶解して穴が開く細胞溶解反応(①)が起こったり、オプソニン化により食細胞に貪食されやすくなったり(②)、キラーT細胞が抗体を認識して傷害したりする(③)。また、本来はホルモンなどのメディエーターのための受容体に抗体が結合してしまい、機能亢進してホルモンの過剰産生が起こったり、逆に機能低下してしまうこともある(④)。Ⅱ型アレルギーが関与する疾患としては不適合輸血・自己免疫性溶血性貧血・特発性血小板減少性紫斑病・Goodpasture症候群(①)、Rh不適合妊娠(②)、慢性甲状腺炎(橋本病)(③)、甲状腺機能亢進症・重症筋無力症(④)などがある。