アナルトリー(anarthria)
発語の問題であり,その内容はふたつの要素により構成される。一つは構音の歪み、もうひとつは語を構成する音と音の繋がりの問題である。構音の歪みは、構音障害と同じように、音が不明瞭化し、母語の表記方法で表現できない音になることである。
音の繋がりの問題は、たとえば「おんがく」というところを「お, んーがっ,く」等となってしまうような現象をさす。構音の歪 みと、音の繋がり不全は、誤ったり,正しかったりという変動と、障害のされかた(どの音に、どのような歪みが出るか。どの音とどの音が切れてしまったり,引き伸ばされたりするのか)の変動がある。この点が構音障害との相違点である。これは左中心前回およびその皮質下の損傷で出 現する。左中心前回の中でも、上下の位置関係では中~下方部、前後の位置関係では、後壁が重要である