フェニルケトン尿症

フェニルアラニン水酸化酵素活性の低下や欠如で、フェニルアラニンが蓄積し、チロシンが欠乏する。このため、脳組織へのフェニルアラニン蓄積で精神機能がおかされ、またチロシンから作られるメラニン色素やドパミンが不足することにより、色素脱失やうつ症状がみられるようになる。
出生時の時は正常だが、フェニルアラニン蓄積とチロシン欠乏が進むにつれて、赤毛、湿疹、白い皮膚が目立つようになる。嘔吐が出現し、お座りやはいはい、歩行開始などの運動発達の遅れた、言語発達の遅れが現れる。約25%に痙攣発作がみられることもある。
診断としては血中フェニルアラニン値20mg/dl以上で、尿中のフェニルケトン体増加を尿塩化二鉄反応で証明する。確定診断としては!肝フェニルアラニン水酸化酵素活性から行う。
診断が着き次第、低フェニルアラニン乳を与える。新生児期の遅くとも生後1ヶ月以内に発見し治療すれば、知的障害は予防できる。なお、本症の女性が妊娠した場合は、母体の血中フェニルアラニン値が高いため、胎児に発育障害、知的障害、小頭症、心奇形などをきたすこたがあり、マターナルPKUとして問題となっている。予防には、妊娠前からの血中フェニルアラニン値コントロールが重要である。

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