プライマリ・ケア(PC)

欧米先進国で一般的に用いられるプライマリ・ケア(PC)は、アルマ・アタ宣言によるプライマリ・ヘルス・ケアPHCとは異なり、米国科学アカデミー医学研究所によるものが知られている。日本では、日本PC連合学会の役員らも参加し議論した国立国語研究所「病院の言葉」委員会の中で議論がなされ報告がなされた(2009)。その中で、PCの表記に関して、プライマリーケア、あるいは、日本PC学会で使用されてきたプライマリ・ケアがあると註において記載がなされている。

PHCは、医療よりもそれ以前の保健に重点が置かれており、該当国の政治経済や生活環境なども大きな問題となっている。
先進国では、医療制度や健康保険制度、医療施設や従事者などハードやソフト面がほぼ備わっている。従って、医療者と患者・家族・地域との関係性を軸とした議論や診療が可能となっているので、PC医などをベースとした医療中心モデルや、PC機能として医療サービスを推し進めていくことが可能となる。
PCについては、米国科学アカデミー医学研究所National Academy of Sciences (NAS)医学部門によるものが参考となり、そこに、「プライマリーケアとは、患者の抱える問題の大部分に対処でき,かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである」とある。
国立国語研究所「病院の言葉」委員会の報告書(2009)で、プライマリーケア〔総合的に診る医療〕とは、「大きな病院での専門医療に対して、ふだんから何でも診てくれ相談にも乗ってくれる身近な医師(主に開業医)による、総合的な医療です。今後の社会的な医療体制を考える上で重要な概念です。」と簡潔にまとめられている。

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