ホモシスチン尿症

病因:ホモシステインをシスタチオニンに変換するシスタチオニン合成酵素欠損により、ホモシステインとメチオニンが   
    体内に貯留し、尿中ホモシスチンが増加する常染色体劣性遺伝疾患である。
    新生児スクリーニングでは80万人に1人の頻度である。
  
症状:高身長、クモ状指、水晶体脱臼、知的障害、けいれん、血栓症など

検査:アミノ酸分析で、ホモシスチンの血中および尿中の増加を認める。
    尿中ホモシスチンの増加があると、ニトロプルシド反応陽性となる。
    確定診断は、培養皮膚繊維芽細胞と肝のシスタチオニン合成酵素活性の
    低下をもってする。
    新生児マススクリーニングには血中のメチオニンが使われる。

鑑別:Marfan症候群も同様の症状が見られるが、知的障害はなく、ホモシステインの代謝障害もない。

治療:シスタチオニン合成酵素はビタミンB6を補酵素とするのでビタミンB6を大量投与する。
    低メチオニン高シスチン食で治療する。ベタインもホモシステインを低下させる作用がある。
    ビタミンB6、葉酸に反応する型もある。

予後:約半数が何らかの中枢障害を示す。血栓症など血管系の障害をきたすこともある。

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