マスト細胞

概要

 日本名で肥満細胞マスト細胞というのは膨らんだ細胞という)ともいう。アナフィラキシー、花粉症等のI型アレルギーや寄生虫感染防御のエフェクター細胞としての機能が有名である。各種臓器の血管周囲に存在しているが、臓器ごとに性質がことなり大きく粘膜型、結合組織型の二系統がある。 マーカーとしてはIgEリセプターであるFceRIとSCFリセプターであるc-kitが有名であるが、それ以外にもさまざまな刺激に対するリセプターを保持している。

機能

 マスト細胞は内部に顆粒を持ち、さまざまな刺激に対して顆粒を放出(脱顆粒)もしくは炎症性メディエーターを産生することがその反応の特色である。マスト細胞の分泌産生するメディエーターとしては、ヒスタミン、プロテアーゼ、各種症性サイトカイン(TNF-alpha, IL-6など)等が知られている。

 近年では自然免疫(細菌感染)、組織修復、血栓溶解、自己免疫疾患(慢性間接リウマチ)等さまざまな生体反応に関与することがしられるようになった。アレルギー担当細胞という位置づけから、生体反応のレギュレーターとしての働きが注目されている。

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