伝染性軟属腫

伝染性軟属腫ウイルスによる限局性ウイルス感染症である。
常色の軟らかい半球状丘疹が孤立性に散発する。
表面は平滑で光沢を放ち、中央部は臍窩状に陥凹する。

臨床

  • 小児の体幹・四肢に好発し、夏季に流行する。
  • 特にアトピー性皮膚炎の患児に多い。
  • 数mmまでの半球状の常色丘疹で、表面は平滑で光沢を有し、中央は臍窩状に陥凹する。
  • つまむと白色の粥状内容物が排出される。
  • 周囲に湿疹反応が起こることがある(モルスクム反応)。

病理


  • 表皮突起は真皮側へ囊腫状に肥厚し、中央部は噴火口状に陥凹するため、トマト状外観を示す。
  • 好酸性に染色される細胞質内封入体(軟属腫小体)を有する有棘細胞と顆粒細胞が増殖し、粗大なケラトヒアリン顆粒を産生する。
  • 稗粒腫との鑑別を要する。稗粒腫の場合、丘疹の中央に臍窩はなく、眼瞼部や頬部などに好発する。

治療


  • トラコーマ鑷子などで内容物を圧出するのが最も確実な治療法である。

転帰・予後


  • 平均6.5ヵ月の期間で、自然治癒するとの報告がある。


注目の記事

熱傷

≪病態≫ 熱の作用で、細胞レベルでたんぱく質が変性することにより生物学的活性が失われ、膜脂質の流動性が高まり、膜内の酵素活性が失われ、細胞機能が障害される。 熱の直接作用により、表皮や真皮に障害が …続きを読む…