網膜色素上皮

網膜色素上皮;retinal pigment epithelium: RPE: 色素上皮

視細胞のメンテナンスに重要な細胞で、いわゆるブルフ膜を基底膜とする単層の立方上皮細胞であり、相互間はtight junctionで結合されている。視細胞は人体の中で最も酸素消費量の多い組織といわれているが、そのために視細胞は脈絡膜から豊富な酸素供給をうけており、RPEもまた常にほぼ動脈血なみの酸素濃度にさらされているとされる。RPEは以下のように視細胞維持に貢献している。

1)脈絡膜と視細胞の間にあってblood-retinal barrierを形成する。

2)retinoid cycleに関与しており、視物質を再生する。

3)視細胞外節の貪食と消化

網膜色素上皮細胞は一日に外節の約10%を貪食することにより視細胞外節refreshしている。視細胞1細胞あたり50−100の外節と接するといわれ、これは大まかには視細胞は連日赤血球5−10個を貪食/消化し続けていることになるという。外節にはアラキドン酸やドコサヘキサ酸などの不飽和脂肪酸が含まれ、光受容時過酸化されやすい。過酸化状態の外節は消化不良を起こし易く、リポフスチンが蓄積する。ブルフ膜にリポフスチンが蓄積したものをドルーゼンという。リポフスチン自体が活性酸素を産生するともいわれ、ドルーゼン形成は黄斑部疾患の早期変化の特徴の一つとされている。

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