卵巣過剰刺激症候群

卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome: OHSSとは、不妊治療に対するゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)により、一度に多数の卵胞が発育・排卵し、卵巣の腫大や腹水・胸水の貯留、血管内脱水をきたし、急性腹症や呼吸困難、血栓症等をきたす疾患である。特に妊娠が成立すると悪化しやすい。病態としては治療に用いるhMGFSH様作用により卵胞が発育して卵巣が腫大し、卵巣軸捻転がおきやすくなる。軸捻転が起こると急性腹症をきたす。一方、妊娠が成立した場合には絨毛よりhCGが継続的に分泌されるが、これにより血管透過性が亢進し、血管内脱水やタンパク質漏出による低タンパク血症、電解質異常、腹水・胸水の貯留が起こる。血管内脱水が起こると血栓症のリスクも高くなる。また、腎血流が減り急性腎不全が起こる可能性も高くなる。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の検査所見としては、血液検査で血液濃縮所見(WBCRBC、ヘマトクリットの上昇)、低タンパク血症(タンパク質漏出による)、凝固能の亢進が見られる一方で、腹部超音波では腫大した卵胞が多数見られる。特に、不妊治療を受けている女性が急性腹症や乏尿、腹部膨満感をきたした場合には本症を疑わなければならない。

治療としては、まず輸液による脱水の改善と尿量の確保を図る。また必要に応じてアルブミンの投与やドパミンの少量投与(腎血流増加を狙ったもの)を行う。

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