咽頭結膜熱(PCF)
咽頭結膜熱(PCF)は、アデノウイルス3型、7型を主な原因ウイルスとする感染症である。多くはプールを介した発生によるため、プール熱とも呼ばれ夏に流行する。
臨床像
- 小児に好発する。季節性流行の場合は主に学童年齢の罹患で占められるとされているが、5歳以下の乳幼児の罹患も多く、約6割を占めている。
- 潜伏期4〜6日の後、急な高熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎、結膜炎、眼痛、流涙、羞明、眼脂を伴う。
- 7型によるものは、乳幼児や高齢者、心肺機能低下・免疫機能低下等の基礎疾患のある患者では重篤な症状となることがあるため、注意を要する。
- 感染経路としては、唾液などの飛沫、直接接触、糞便などが主なものである。
- なお学校保健安全法の第2種学校感染症に指定されており、対象者は主要症状が消えた後2日を経過するまで登校できない。
診断
- 確定診断には、かつては患者の鼻汁、唾液、喀痰、ぬぐい液からのウイルスの分離またはウイルス抗原の検出が行われていたが、近年ではラテックス凝集反応やELISAを用いる場合もある。
治療
- 混合感染予防のため抗菌薬点眼を行う他、全身症状に対する治療を行う。