唾液腺腫瘍

好発部位は耳下腺(85%)>顎下腺>舌下腺である。耳下腺腫瘍には良性が多く、顎下腺腫瘍には悪性が多い。耳下腺には浅葉と深葉があり、その間を顔面神経が走っているため、悪性耳下腺腫瘍が浸潤すると顔面神経麻痺を生じる。
⑴    多形腺腫(混合腫瘍)
唾液腺腫瘍の約3分の2を占める。また、多形腺腫の大半は耳下腺に生じる。発育は緩徐で、十数年にわたることもある。30〜40歳代に好発し、やや女性に多い。無痛性、弾性硬の境界明瞭な腫瘍が耳下部に生じる。顔面神経麻痺はないことが悪性腫瘍との鑑別点である。2〜3%の症例で悪性転化することがある。エコー、CT、MRIで腫瘍の深さや広がりを確認し、穿刺吸引細胞診で確定診断や悪性転化の有無を確認する。悪性転化を避けるために早期に腫瘍摘出術を行う。
⑵    Warthin腫瘍(腺リンパ腫)
ほとんどが耳下腺下部に生じ、多形腺腫についで多く見られる良性腫瘍である。60歳以上の男性に好発する。しばしば、両側性に発症し、発育は緩徐である。無痛性で、弾性硬・軟部分が混在した
独特の腫瘤を生じる。顔面神経麻痺は生じない。悪性化はしない点が多形腺腫との鑑別点である。99mTcシンチで集積像を呈する。整容的観点から腫瘍摘出術を行うことがある。

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