多形滲出性紅斑
四肢伸側を中心に対称性に多発する、円形から類円形の浮腫性紅斑である。原因は単純ヘルペスウイルス、マイコプラズマ、溶連菌などの感染症、薬剤など多岐にわたる。
臨床
- 四肢伸側の関節部などに、浮腫性で中央がやや陥凹し、辺縁が隆起した“標的状”とよばれる紅斑が多発する。ときに感冒様症状の先行がある。
- 軽度の発熱、関節痛がみられることがある。
- 全身症状が高度な場合、広範囲な皮疹、粘膜疹がある場合には、Stevens-Johnson症候群への移行を考える。
診断
- 血液検査にて、赤沈↑、CRP↑がみられる。
- 原因によってはASO、マイコプラズマ抗体価が高値を示す。
治療
- 病因を追求して、感染症の治療、原因薬剤の中止などの治療を行う。
- 軽症例は通常2~3週間で消褪する。症状に応じて、皮疹部のステロイド外用などを行う。
- 重症例ではステロイドの全身投与を行う。