大脳皮質基底核変性症

 大脳半球萎縮および基底核変性を生じ、錐体外路症状、失行、認知症など多彩な症候を示す多系統変性症。45~75歳に好発。

 症状は、運動拙劣、運動失行、ジストニア肢位で発症することが多く、左右差がみられる。経過とともに他人の手徴候、拮抗性失行、パーキンソニズム、不随意運動(ミオクローヌス、ジストニア)などが加わる。進行すると、錐体路徴候、認知症、眼球運動障害(垂直性)などを伴う。

 検査では、CT,MRIで左右差のある大脳皮質(特に頭頂葉)萎縮が顕著。SPECTでは大脳皮質の萎縮部位で血流の低下がみられる。

 治療は、主に薬物療法を行う。薬物療法では、パーキンソニズムに対し抗Parkinson病薬で治療するが、大きな効果はあまり期待できない。ミオクローヌスに対しては抗てんかん薬が有効な場合がある。その他、リハビリテーションも行う。発症から寝たきりになるまで5~10年程度といわれている。

<他人の手徴候>

自分の腕が勝手に動き、自分で制御できず、視覚情報なしではその腕が自分のものと認識できない症状。

<拮抗性失行>

企図された一方の手の運動に対し、反対側の手が患者の意思に反して妨害的に働き、運動が中断するか、行為が完遂できない状態。

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