尋常性乾癬
頭、肘、膝、臀部など機械刺激の受けやすいところに、紅色丘疹から次第に拡大して、銀白色の鱗屑をつける紅斑性局面が多発する。爪に点状陥凹、粗造化、混濁などの変化が見られることもあり、このような爪の変化を伴う人は、関節も侵されることが多く、乾癬性関節炎(※1)に陥ることがある。
患者の健常皮膚に非得意的刺激(搔破、摩擦、日光など)を加えると病変部と同様の変化を生じるKobner現象が陽性になる。また、鱗屑を剥離していくと点状出血を生じるAuspitz現象も陽性となる。
病理組織像では、不全角化(錯覚化)を伴う角質肥厚、Munro微小膿瘍(角層直下の好中球による無菌性膿瘍)、顆粒層の消失、表皮突起の延長がみられる。
治療としては、外用療法(ステロイド、活性型ビタミンD3軟膏)、光線療法(PUVA、ナローバンドUVB)、全身療法(免疫抑制剤(シクロスポリン)、生物学的製剤(TNF–α阻害薬、IL–17抗体など))がる。重症度やQOL障害度により治療を決定する。
ステロイド内服は嚢胞性乾癬を誘発するため禁忌である。
(※1乾癬性関節炎
乾癬に関節炎を伴うもので、主にDIP関節を侵すが、大関節に生じることもある。リウマトイド因子は陰性で、HLA–B27、HLA–Cw6と関連する。)
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