心室頻拍(VT)

心室性期外収縮が連続して発生し、頻脈を呈するもののこと。VTは危険な不整脈であり、無脈性となったり、心室細動(VF)に移行する可能性があるので、緊急処置を要する。His束分岐部より遠位の刺激伝導系および固有心室筋から発生する頻拍である。症状としては動悸、息切れがあり、めまいや失神を生じることもある。
心電図所見としては、刺激伝導系を経ずに、興奮が心室内を伝導するため、QRS幅が広くなるが、QRS波の出現は規則的である。先行するP波を欠くことも特徴である。

治療としては、血行動態が安定している場合で、心機能が正常である場合には、Naチャネル遮断薬を使い、心機能が低下している場合には、アミオダロンなどを用いる。ジギタリスは異所性の興奮を促進してしまうため禁忌である。
また、血行動態が不安定な場合は、カルディオバージョンを行う。
根治療法の場合は、基礎疾患がない場合はカテーテルアブレーションを行う。基礎疾患がある場合は、埋め込み型除細動器の適応となる。

注目の記事

破嚢

後嚢破損 超音波水晶体乳化吸引術が普及した現在、後嚢破損の発生率は施設間、術者間の差はあるが約3%と言われる。逆にどんな名人でも破嚢のリスクはゼロではない。その後の適切な対応によって、術後の視機能は良 …続きを読む…