心房粗動(AFL)
心房粗動(AFL)とは、電気的興奮が規則正しく心房内を旋回し(リエントリー)、多くの
場合、一定の頻度で心室に伝導する状態である心房興奮は規則的であるため、心房細動と
は異なりRR間隔は一定であることが多い。
臨床
- 心房粗動は、心房レートが約300回/分の規則正しい上室頻拍である。
- 心房で発生した興奮が一定の頻度で心室へ伝わり、その伝導比率によって様々な症状が出現する。房室伝導比は4 : 1や2 : 1が多い。
- 4:1房室伝導(心拍数=約75回/分)では無症候のことが多いが、2:1房室伝導(心拍数=約150回/分)では呼吸困難、動悸などがみられる。
- 1:1房室伝導を示すと心拍数が約300回/分に達し、失神、突然死をきたすリスクがある。
- 心電図では、規則正しいRR間隔、狭い幅のQRS波(narrow QRS、regular tachycardia)、P波の代わりに規則正しい心房粗動波(F波)(約300回/分)を認める。
- なお、心房粗動波はノコギリの刃状をしており、陰性鋸歯状波とよばれる。
- また、房室伝導比が一定でない場合はRR間隔は不規則となる。
- 血栓塞栓症のリスクは心房細動の約1/3である
治療
- 血行動態が安定している場合:心拍数調節のため、β遮断薬、ジギタリス、Ca拮抗薬(ベラパミルなど)を投与する
- 血行動態が不安定な場合:カルディオバージョンを行う
- 根治療法:カテーテルアブレーション行う