日本紅斑熱
日本紅斑熱はRickettia Japonicaによるリケッチア感染症の一つである。近年わが国で急増傾向にあり、同じリケッチア感染症のつつが虫病より死亡率が高いため注意を要する。
臨床像
- Rickettia Japonicaを保有するマダニに刺されると感染し、発症する。潜伏期間は2〜8日(平均4日程度)である。
- 初発症状は38〜40℃の悪寒・戦慄を伴う発熱、頭痛、全身倦怠感などである。
- 発熱後2〜3日で四肢末端から紅斑が現れる。この紅斑は米粒大で境界不明瞭であり、痛痒感はない。特に手掌に多く出現し、次第に出血性となる。
- リンパ節腫脹はほとんどなく、紅斑は約2週間で消退する。
- 検査所見は感染初期の白血球減少、血小板減少、CRP上昇、AST・ALT・LDH上昇などである。
- なお、同じリケッチア感染症であるツツガムシ病との鑑別は難しいが、刺し口の中心の痂皮部分が小さい点などで鑑別される。
治療
- 主にテトラサイクリン系抗菌薬を用い、重症例には早期からニューキノロン系を併用する。
- β-ラクタム系、アミノグリコシド系は無効である。
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