消化管穿孔

消化管穿孔は、消化管に何らかの原因で穴が開くことで、長官内容が腹腔内にもれだし、腹膜炎を引き起こす病変である。部位によって大きく上部消化管穿孔と下部消化管穿孔に分けられる。
①    上部消化管穿孔(胃・十二指腸穿孔)
原因としては、原因としては胃・十二指腸潰瘍や胃癌が多い。好発部位は十二指腸球部前壁である。症状としては突然の上腹部の激痛、筋性防御・反跳痛といった腹膜刺激症状がある。また麻痺性イレウスに陥っていて消化管の活動が低下すると、腸蠕動音の低下が見られることもある。胸部・腹部立位単純X線検査で横隔膜下に遊離ガス(free air)と腹部CT検査で肝臓表面などに遊離ガスを認めると穿孔があると疑う。
進行すると、腸管内容や腸内細菌が腹腔内に漏出し、腹膜炎を併発し、さらに悪化すると敗血症やDICに陥る危険性があるため、早急な診断と治療の必要がある。
治療方針の決定は原則として緊急内視鏡検査を行い、穿孔部位やその大きさを確認し、全身状態などを考慮して決定する。基本的には外科的治療で腹腔内洗浄ドレナージ+単純縫合術を行う。全身状態が良好で発症から24時間いないで腹部所見が限局性の場合は保存的治療(絶飲食、輸液、抗菌薬など)を行うが、経過観察は十分に行い、悪化が見られる場合はすぐに外科的治療に切り替える。
②    下部消化管穿孔
大体は上部消化管穿孔と同じであるが、下部消化管は下部消化管に比べ、多くの腸内細菌や便が存在することや、より高齢者に好発であることから、穿孔部位から内容物が漏出したときに、早期に重症な腹膜炎に陥ることが多い。そのため、予後は上部消化管穿孔に比べ不良で、診断がつき次第すぐに回復手術を行う。原因疾患としては大腸癌、憩室炎、炎症性腸疾患などが多い。また便秘による宿便性のものも多い。稀ではあるが、大腸内視鏡検査などによる医原性のものも存在する。
遊離ガス像が上部消化管穿孔に比べ少ないため、立位X線検査では認められない場合があるので、基本的には腹部単純CTで遊離ガスを見つける。

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