猩紅熱
A群β溶連菌による咽頭炎、扁桃炎に全身性の発疹を伴うものを猩紅熱とよぶ。発疹は、発赤毒素によるもので、皮膚全体が発赤して鮮紅色となる。幼児・学童期に好発。
臨床
- 幼児・学童に好発する。
- 高熱で発症し、咽頭炎または扁桃炎をきたす。
- 頸部、腋窩部、鼠径部の紅斑用発疹から始まって、全身の皮膚が発赤する。回復期には膜様落屑し消退する。
- 口囲蒼白を伴い、舌は、発症早期には白苔に覆われて白いが、その後に白苔がはがれて苺舌となる。
- 検査所見としては、ASO値↑、ASK↑、WBC↑、CRP↑がみられる。
- 発熱毒素に対する抗体を持っていない人に発症する。近年は軽症が多く、典型例はまれである。
診断
- 確定診断は、咽頭培養による菌の同定、または迅速診断キットによる抗原摘出による。
治療
- ペニシリン系抗菌薬が第一選択である。※続発症(急性糸球体腎炎、リウマチ熱)予防のため7〜10日間の投与が必要である。