小耳症
≪病態≫
小耳症は組織の不足を本態とする耳介形成異常であり、5000~10000人に1人の発生頻度である。典型例で耳介上部に欠損が存在し、重症のものでは耳垂のみが残存する耳垂型、軽症例では耳甲介残存型となる。
整容面に加え、マスクや眼鏡が耳にかからないことが問題となる。
≪治療≫
手術のみが適応となる。
標準的手術では肋軟骨移植による耳介形成術である。手術は二期的に行う。初回手術では肋軟骨を摘出し耳介の形に成形し、耳介の下に埋め込むことで血流を促進する。約半年から1年後の2回目の手術で耳介拳上を行い、立てた耳介の裏には鼠径部などから皮膚移植を行う。初回手術は通常8~10歳ごろに行う。