痔核

痔核(hemorrhoidsとは、直腸静脈叢から発生する静脈瘤であり、歯状線より上方か下方かで、内痔核と外痔核に分けられている。


  • 内痔核
    内痔核(internal hemorrhoids)とは、歯状線の口側にできる静脈瘤でその部位は上直腸動脈の流入部位と一致している。腹側を12時方向とすると上直腸動脈の終末枝がある3時、7時、11時方向に好発する。内痔核は慢性に経過し、排便時の出血や場合によっては痔核脱出を起こし肛門脱(脱肛)をきたす。歯状線より口側は知覚神経が少ないため、内痔核のみではほとんど疼痛はないが、脱出した痔核が肛門括約筋に締め付けられてうっ血し腫れ上がる嵌頓痔核では激しい疼痛を伴う。 内痔核は、基本的には保存的にみられるが、痔核脱出が還納してもすぐ脱出する例や還納不能例に対しては痔核結紮切除術(Milligan-Morgan法)を行う。その他、ALTA(硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸)による硬化療法などがある。

  • 外痔核
    外痔核(external hemorrhoids)とは、歯状線より体表側にできる下直腸静脈叢から発生した静脈瘤である。内痔核より痛みは強いが、出血は少ない。特に血栓を形成することが多く、その場合は激しい痛みを伴う。治療としては血栓に対して切開して切除することもあるが、自然吸収を待つ例もある。

 

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