神経線維腫

神経堤系の良性腫瘍である。
神経線維腫症1型(NF1)の皮膚症状として多発するものと、NF1とは無関係に単発するものとがある。
半球状に隆起する、常色から淡紅色の軟らかい皮内〜皮下腫瘤である。
末梢神経の構成成分であるシュワン細胞、神経周膜細胞、神経内膜細胞が増殖する。

臨床


  • 成人期以降に発症する。
  • 孤立性のものは、半球状に隆起する、常色から淡紅色の非常に軟らかい皮内〜皮下腫瘤である。

病理


  • 被膜を持たない境界明瞭な腫瘍塊が、真皮から皮下に存在する。
  • 長円形の核を持つ紡錘形細胞が束状となり、平行または交錯して波打つように配列して腫瘍塊を形成する。
  • 肥満細胞が混在する。

診断


  • 免疫染色でS-100蛋白とNSEが陽性所見を示す。
  • 神経鞘腫との鑑別を要する。神経鞘腫の場合、より硬く触れる、痛みを伴うという特徴がある。

治療


  • 切除が第一選択である。

経過・予後


  • ときに悪性化する。

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