メープルシロップ尿症

分岐鎖アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンは、分岐鎖アミノ酸トランスアミナーゼと分岐鎖αケト酸脱炭酸酵素複合体により変換される。この分岐鎖αケト酸脱炭酸酵素複合体の障害によってαケト酸が蓄積したものがメープルシロップ尿症である。生後3〜5日より、哺乳困難、吐乳、痙攣、嗜眠が出現し、やがて、痙性麻痺、後弓反張と症状が悪化する。蓄積物質が酸性であるため、代謝性アシドーシスを呈する。症状から、敗血症や髄膜炎と誤診されることもある。未治療の場合は、数カ月以内に死亡することもある。
砂糖を焦がしたような尿臭(メープルシロップ臭).Guthrie法(血中及び尿中のロイシン、イソロイシン、バリンと、それらのαケト酸)が増加、ジニトロフェニルヒドラジン反応陽性(尿2,4ジニトロフェナルヒドラジン塩酸溶液を加えると微細な黄色沈殿を生じる)より疑い、分岐鎖α波 ケト酸脱炭酸酵素活性を測定して診断する。治療としては、イソロイシン、ロイシン、バリン制限食とする。ビタミンB1の補充も行う。分岐鎖αケト酸脱炭酸酵素に補酵素としてビタミンB1が必要なため、ときにビタミンB1反応性のメープルシロップ尿症も存在するからである。なお、本症は死亡を免れても、多くの場合、中枢神経障害が残ることが多い。

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