網膜剥離
10層からなる網膜のうち、最外層の色素上皮層から剥がれた状態である。
復位後も視機能の完全な回復は難しい。
裂孔原性と非裂孔原性とに大別されるが、一般に網膜剝離といえば裂孔原性網膜剝離を指す。
網膜剝離の分類
裂孔原性:過度の近視、加齢、外傷(アトピー性皮膚炎に伴う眼の瘙痒感に対する物理的刺激も含む)など(網膜裂孔から液化した硝子体が網膜下に入って生じる)
非裂孔原性(その他) :
滲出性: Vogt-小柳-原田病、中心性漿液性脈絡網膜症
牽引性:糖尿病網膜症、未熟児網膜症、穿孔性眼外傷など(眼内増殖組織による牽引によって生じる)
症状
- 感覚網膜はその栄養を色素上皮層に依存しているために、両者の間に隙間が生じると変性を起こし、視機能の低下ひいては失明につながる。
- 自覚症状としては光視症や飛蚊症(いずれも裂孔原性に多い)、不規則な視野欠損などがある。
- 剝離が黄斑部に及べば急激な視力低下を訴える。
- 好発部位は上耳側で、視野欠損は下から始まり上方に広がることが多い。
検査、診断
- 眼底検査により、網膜裂孔(裂孔原性の場合のみ)や網膜剝離を認めることが確定診断となる。
- 眼球の超音波検査(Bモード)、網膜電図(ERG)、光干渉断層法(OCT)も有用である。
- 眼圧の低下がみられることが多い。