網膜芽細胞腫
乳幼児に発症する眼内悪性腫瘍である。30〜40%は常染色俐優性遺伝である。
一般的には片眼性で発症するが、遺伝性の場合は両眼性が多い。
生後1〜2年の間に白色瞳孔(黒内障性猫眼:瞳孔が黄白色に光る)で発見されることが多く、放置すると2〜3年で死亡する。
癌抑制遺伝子であるRb遺伝子が発症に関わっている。
転移部位としては、骨、骨髄、肺、脳などが挙げられる。
症状
腫瘤の増大に伴い、網膜剝離や眼圧上昇を呈する。
検査、診断
- 眼底検査、CT、MRI、エコー、X線を施行する。
- 眼底所見として、眼底に白色の隆起した腫瘤が認められる。
- CT、MRI、エコーにて腫瘍の広がりを評価する。
- X線にて石灰化像を認める。
- 病理所見として、腫瘍細胞のロゼット形成が特徴的である。
治療
- 早期に発見され腫瘍が小さい場合には、保存的治療が第一選択である。
- 進行例では、片眼の場合眼球摘出する両眼の場合は、重症な方の眼を摘出し、もう一方の眼は保存的治療(光凝固、冷凍凝固、放射線療法など)に努める。
- 近年は化学療法の進歩に伴い、保存療法を組み合わせて、眼球摘出を避けることも多い。