良性腎硬化症
軽〜中等度の高血圧の持続により生じる腎障害である。高血圧性腎障害または腎硬化症ともいう。現在わが国の透析導入の主要原疾患の1つであり、年々増加蛍光にある。
臨床
- 高齢の高血圧患者に多い。
- 軽〜中等度の高血圧の持続により、腎臓の小〜細動脈レベルの硬化性病変が生じる。
- 自覚症状や尿所見に乏しい(軽度蛋白尿がみられることもある)。
- 超音波検査やCTで、両側の腎萎縮がみられる。
診断
- 臨床的な所見(高血圧の持続、腎機能低下、乏しい尿所見)のみで行うことがほとんどで、腎生検を行うことは少ない。
- 病理所見としては主に小葉間動脈の内膜の線維化(線維性内膜肥厚)と輸入細動脈の中膜の硝子化がみられる。また、糸球体硬化や尿細管の萎縮, 間質の線維化もみられる。