薬剤性過敏症症候群

薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHSとは、薬の副作用による特異的な反応であり、普通の薬疹と異なり投与後すぐに発症せず、原因薬剤の初期投与からおよそ2ヶ月(平均34週間)の間に、発熱紅斑、剥離性皮膚炎、リンパ節腫大、多臓器障害(肝炎・心筋炎・間質性腎炎・間質性肺炎)をきたすものであり、2030%の死亡率と考えられている。通常よくみられる抗生物質による薬疹が投与後514日に出ることに比べると薬の内服期間はかなり長いものとなる。原因の薬剤としては主として抗痙攣薬(抗てんかん薬)であり(カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド)、その他はメチレキシンアロプリノールサラゾスルファピリジンなどの薬があるが、限られた薬剤でしか起こらないのが特徴である。近年、共通してHHV-6突発性発疹の原因ウイルス)の再活性化を伴うことが明らかになってきている(血清中のHHV-6DNAや抗HHV-6 IgG抗体価の上昇が認められる)。薬疹とは気付かずに原因薬剤が投与され続け重症となることも多いが、原因薬剤中止後もしばしば増悪し経過が極めて遷延化する。

治療は、ステロイドの全身投与やウイルスの再活性化に対して免疫グロブリン製剤の投与が行われる。

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